2012年10月25日
今回のテーマは「Air is Money」と題してエアー漏れについてお話します。
「コンプレッサーについて考える(1)」で御紹介したとおりコンプレッサーが費やすエネルギーは結構大きいのですが、このコンプレッサーから吐出されるエアーの中で無駄に使用される、いわゆる“エアー漏れ”についてどのようにお考えでしょうか?
“エアーは空気と一緒でただ(無料)じゃないの??”
”エアーは無害なので多少漏れても大丈夫でしょう!?”
”そもそも初めから漏れてたので問題ない!!”
などなど、変な噂を耳にする事もありますが、統計では
”コンプレッサーから吐出されるエアーのうち約20%〜30%がエアー漏れにて使用(?)されている”
と言われる位、エアー漏れ量って結構あるんですよ!!
さらにエアー漏れで厄介な事は
(1)水等の液体と違って漏れ位置の特定が容易にできない
(2)一度修理してもまた別のところが漏れ出す
(3)エアー漏れなのか放出しているものなのか、音では区別ができない
という具合にエアー漏れをゼロにすることは難しく、理屈的には漏れ量を減少させれば省エネ、いわゆる原単位の削減につながることは分かっているものの、実際にはなかなか具体的な対策が取れておらず、頭を抱えている企業様が多いのが現状のようです。
冒頭の写真は当社ショールーム内の配管及び設備ですが、エアー漏れを起こしているものがどれか解りますか??
→答えは全て漏れています。
実はいづれもエアー漏れの体感用としてショールームに展示されているものなのです。エアー漏れって写真ではどこから漏れているのか全く分からないですよね!
以上の様に何かと厄介なエアー漏れですが放置していても直るものではありませんので、漏れの全体量把握とその発見方法をお話ししていきたいと思います。
その前に、エアー漏れがどのくらいの損失になるのかを計算式で算出してみます。
音の表現は言葉ではなかなか言い表せないのでイメージということで参考にしてください。詳細はショールームにて体感できます。数値的にはそんなに多くはありませんがこのような孔が実際何ヶ所あるのでしょうか??
それでは、エアー漏れ量の全体量把握の方法のお話です。
現在使用しているエアーの設備全体でどのくらい漏れ流量があるのかを簡単に測定する方法です。これには大きく分けて2種類の方法があります。
(1) 圧力損失(降下)を利用しての計算式から測定する。
→この方法は説明するより実際見て頂いた方が分かり易いので興味のある方は是非ショールームまでお越しください。
(2)製造をしていない状態でエアーを送気してその時の運転状態から漏れ流量を測定する。
→つまり日曜日などの製造をしていない時にコンプレッサーを運転させ、その時の稼働状態とカタログスペックより漏れ流量を計算します。当然のことながら全く漏れていない配管ではコンプレッサーは停止(流量ゼロ)になります。この時、流量計が設置されていれば計算することなく表示流量がエアー漏れ流量となります。是非一度皆様のコンプレッサーで確認してみてはいかがでしょうか。
最後に漏れ位置の特定方法です。
結論からいいますと、漏れ位置の最終特定は石鹸水等での直接的な視覚での検出しかありません。しかし、やみくもに石鹸水を塗布して廻るわけにもいきませんので写真のような漏れ検知器(簡易型)を今回ご紹介します。
圧縮エアーは孔を通り抜ける時に特性上、ある特有の超音波を発生させます。この機械はその超音波を検知して本体のLEDにて表示させます。漏れている場所をはっきりと特定するのは難しいですが、コンパクトで使いやすく少しだけコツはいりますが、慣れれば漏れ位置の概ねの特定はできる様になります。
では、恒例となりましたショールームでの実演動画をどうぞ!!
今回は再現したエアー漏れの位置をソニックキャッチャーを使用して特定してみました。
いかがでしたか?
漏れ位置の特定はコツがいりますが、高所などを除けばお客様でできる場所(ホースや締め付け金具)がほとんどです。しかしながら、一度直せば2度と漏れないとは限りません。是非、定期的な確認・修理を実践しエアー漏れの撲滅に取り組まれてはいかがでしょうか。
最後に今回の事を総称して“Air is Money”として締めくくらせていただきます。
次回最終回のテーマは「エアーの省エネを考える」です。
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