2017年11月06日
先回は、薬品に強い樹脂製(塩ビパイプ)のご紹介を致しましたが、今回は紫外線による劣化、割れ等に対応する管の紹介です。
テーマ “塩ビ配管のリスクを低減させる配管”
目的
「屋外や露出部において、塩ビ管を使用しなくてはならない場所において、耐久性や作業性を向上させる場合に適応するパイプのご提案」
得られる効果
・更新時期が延びる
・割れ、抜け等の漏洩がなくなる
・作業時間の低減
・復旧時間の低減
・施工後の漏洩問題の解消(確実な接合方式)
考えられるリスク
・通常のパイプを使用すると、経年劣化により、管から中の液体が漏れる可能性が高くなります。
・漏洩した場合は、環境問題となり、事業継続にまで危険を及ぼす可能性もあります。
・重要な設備に供給している場合や、メインの管などの場合、操業を止めなければなりません。
そこで今回の紹介をします。
ポリエチレン管(PE管)
二重構造となっており、外面に高濃度のポリエチレンを使用し、内面は塩ビ管と同等の材質を使用。
そのため、外部露出、埋設等両方に使用が可能である。
※クリックにて拡大(以下同)
コストの比較
見積り条件・・・口径75φを100m施工する。その間にエルボ20ヶ、ソケット20ヶ、フランジを1組
まとめ
コスト的には安価ではありませんが、安全性、作業性、環境問題のリスクを考えた上での、ご検討をしてみてはいかがでしょうか。
【問い合わせ先】
工場管理部 高須
TEL:0566-81-0885
FAX:0566-82-0321
2015年03月20日
コンプレッサーは本体にあらかじめ備わっている制御方式として、
アンローダー方式 圧力スイッチ方式 INV制御方式 などの
流体制御機能があり、
その他にも、台数制御盤からの運転指令で動く 台数制御方式 などを用い
使用状況に合わせたエアーの供給を行うための運転、停止を繰り返しています。
ここではコンプレッサーの中でも水冷式のコンプレッサーに焦点をあて、
省エネのポイントをご紹介させて頂きます。
※水冷式とは運転時に本体内部のインタークーラーやケーシングに冷却水を流し、
潤滑油や潤滑水を間接的に冷却する方式です。
では、水冷式コンプレッサーによくある現状とは・・・?
運転時に限らず停止時にも冷却水を流してしまっていることです。
つまり、
不必要なところに冷却水を送り続けていることで無駄な動力を使用している
と言えます。
そこでコンプレッサー本体の構造、仕組みを確認した上で無駄に働いている動力が無いかを見極め、あれば止める。エアーにおける省エネと同様、冷却水においても“必要な時に必要な分だけ必要な個所へ送る”ということが大切だと考えます。
以上のことを踏まえ、今回の改善のご提案についてご説明させて頂きます。
一言でまとめると
『使用しないコンプレッサーの冷却水バルブは閉めましょう』
ということで
冷却水配管へのモーターバルブ取付 を推奨させて頂きます。
予想される効果については以下にまとめさせて頂きました。
ここからは具体的にシミュレーションにてご説明させて頂きます。
条件は以下の通りです。
冷却水の必要流量は1台あたり200L/minということですが、事例の冷却設備では圧力センサー、インバーター等での制御はされていないため、管内送水圧約0.3MPaより一系統あたりに流れている実流量は約285L/min位と予想されます。
コンプレッサーは常時2台運転ですが、現状は冷却水配管に自動開閉制御がかかっていないのでコンプレッサー3台分の600L/min、実流量として約855L/minが常時流れ続けることになります。
この時のポンプ電力量は約7.33Kw/hとなります。
ここで今回のご提案であるモーターバルブによる
自動開閉制御をかけた場合と比較してみます。
1台あたりの条件は変わりません。
実流量は3台分流れているケースより1台分バルブを閉めることにより若干、
系統ごとへの流量が上がり、コンプレッサー1台あたり300L/minになると予想されます。
(※これは先ほど説明した通り圧力センサー、インバータ制御が無いためです。)
コンプレッサーの運転は最大2台運転、1台予備機であるため、
コンプレッサーへの必要流量は1台減り400L/minとなります。
実流量としては600L/minとなり、この時のポンプ電力量は6.3Kwとなります。
つまり、現状から改善して7.33Kw-6.3Kwとなり、約1.03Kwの省エネに繋がると予想されます。
以下、削減効果及び工事費などを加味した投資回収予測は以下の通りです。
~まとめ~
・使用していないバルブを閉じることによって流量を抑えることは
ポンプの仕事量の減少に繋がるため省エネになります。
・コンプレッサーの稼働率によってモーターバルブが運転、停止と
連動するため効果が期待できます。
・他にもバルブによる必要流量調整やポンプのインバーター制御と
組み合わせることでさらなる省エネも可能です。
工場におけるバルブの開閉は家庭においてのスイッチの入切と同じで、
未使用時に閉めるだけで省エネになります。
身近で小さな改善から始めてみてはいかがでしょうか。
2015年01月20日
みなさんこんにちは。
4月からのリニューアル化に伴いこの“技術情報”も模様替えを予定しています。
そのため、来月からしばらくこのコーナーはお休みとなります。
時のたつのも早く、メルマガ立ち上げとともに始まったこのコーナーも丸3年となります。
省エネ手法や機器の特徴などをショールーム内の実機を使用し実演、データの採取なども行い、ありのままの情報をお伝えしていく事をコンセプトとして続けてきました。
表現方法の検討から、デモ機の製作まで社内で話し合い、手作りで行ってきたため、結果も予定通りうまくいったものから、うまくいかなかったものまでさまざまです。
さて、今回はリニューアル前の最後としまして、そんな実演事例を、思い入れのあるものから独断で3点ほどピックアップして、ランキング形式で振り返ってみたいと思います。
(※詳しい結果や内容を再度確認されたい方はピックアップ事例の各画像下に貼ってあるURLから当時の記事に飛べます。)
それではまずは第3位!
コンプレッサーの管理項目として挙げられる吸込みフィルターの詰りがどのような影響を与えるのか
「コンプレッサーの省エネ比較」実演です。
◇シリーズ第2回 コンプレッサーについて考える◇*****
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/19/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/25/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/29/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/35/
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方法は単純でコンプレッサーの吸気口にスポンジを突っ込んで、電力量・流量を測定し、正常な状態と比較してみました。
発想は単純ですが工場で使用しているコンプレッサーで試すには少し気が引けるのではないでしょうか?
ショールームのコンプレッサーならではの実演ですね。
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続きまして、第2位!
次はエアー管路の圧損を測定、比較してみようということで製作した
「圧力損失見える化装置」を使っての実演です。
装置の詳しい内容は下の画像で確認して頂くとして、これ、数々の装置の中でも表現としてかなりうまくいったものではないかと勝手に思っています。
◇シリーズ第9回 エアー設備の圧力損失について考える◇
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/85/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/87/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/91/
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残念ながら動画として撮影はしていませんが、イベント時における展示では皆様に大変興味を持っていただけました。
もし、実際に動いているところを見てみたいという方がお見えになるようでしたら是非ショールームに遊びに来てください。
現在、動かせる状態で常時展示してあります。
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さて、いよいよ第1位の発表です。
第1位は・・・「ウォーターハンマー実演」です。
これはメルマガ技術情報用として一番最初に行った実演です。
まだこの時はショールーム内の設備も充実しておらず、ショールームではなく社内の1階で仮設して行っている思い出の実演でもあります。
(現在はショールームに展示用としていつでも動かせる状態でばっちり組まれています!)
◇シリーズ第1回 スチームトラップについて考える◇***
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/3/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/9/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/13/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/16/
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実はこの動画、一番最初のものでありながらほかの実演動画と比較して再生回数がダントツ1番なのです。さらにこの動画が「ウォーターハンマー」というキーワードに引っかかるのか、今もなお再生数が増え続けています。ウォーターハンマーは多くの方が関心を持ってみえる現象といえるのかもしれませんね。
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他にもいろいろな実演を、時には動画を交えながら紹介させて頂きました。
中には分かりづらいものもあったかと思いますがご了承ください。
これで一旦技術情報はお休みさせて頂きますが、4月リニューアル時には取扱い分野を広げ、皆様にさらに幅広い情報をお届けできるコーナーとなれるよう企画しています。
ぜひ、4月からの新生 技術情報(仮)もよろしくお願いいたします。
2014年12月01日
皆さんこんにちは。今回はコンプレッサーの現状把握の中から、
“エアー漏れの現状把握”についてお話をさせて頂きます。
以前にもお話させて頂きましたが、コンプレッサーの省エネを考えていく中でエアー漏れの削減は重要な要素だと考えています。
何も対策をされていない工場では、一般的な統計でコンプレッサー吐出流量の約20~30%がエアー漏れであるとも言われており、又、エアー漏れはエアーホースの接続部などからも多く、一度直したとしても時間が経過すると劣化やゆるみなどにより、どうしても漏れが再発する可能性があります。
エアー漏れの対策としては最終的には現場全体の協力が必要となってきますが、まずはお客様の工場で現状どれくらいのエアー漏れが発生しているかを確認してみてはどうでしょうか?
最初は全体の漏れ量の把握として、休日など工場生産を行っていない日にコンプレッサーを稼動させ、稼動状態を確認してみて下さい。流量計や電力計が取り付けられており、普段より運転監視をされている場合は単純にその時の数値が漏れ量となります。
取り付けられていない場合はインバーター機の運転負荷率や、
その他の制御方式の場合は運転時間、運転サイクル等も確認し、カタログスペック等を利用し大まかな予測量を計算します。
次に実際の漏れ部の把握ですが、全体量の把握と同じく工場生産を行っていない日にエアーを送気させた状態で工場を廻ってみて下さい。エアーが漏れる音が聞こえた場合は、すでに相当のロスにつながっています。
早急に改善対策をおすすめ致します。
音が聞こえないといっても注意が必要です。
実は漏れの音が聞こえる状態というのはすぐに対応が必要なレベルなのですが、かなり近寄らないとわからない、あるいはほとんど聞こえないようなエアー漏れを見つけ、少なくしていくことも重要となってきます。
漏れ部の確認方法としては、最終的には地道に石鹸水などを塗布して確認するしかないのですが、エアー漏れ検知器等もありますので、そのような物を利用するともう少し漏れ箇所特定がやり易くなります。
このような方法で見つけた細かい漏れはその場で直してしまう事が一番早いのですが、その場で直せない場合は必ずフダをつけるなどのマーキングを行ってください。
又、その場で直したとしても時間がたつと再び漏れてくる可能性があります。何かしらの記録を残しておくと、再度漏れ調査を行う際の効率向上に繋がっていきます。
エアー漏れの削減は重要ですが、エアー漏れを0にするということは難しいといえます。
そのためにもまずは、全体の漏れ量を把握した上で社内で目標値や基準値を定め、定期的に漏れ状態を確認、点検、修正する事によって、エアー漏れ管理を行ってみてはいかがでしょうか?
2014年10月03日
皆さんこんにちは。
今回からテーマが変わりまして“コンプレッサーの現状把握について考える”となります。
“省エネの第1歩は現状把握から”と言われるように、コンプレッサーの省エネを行うにも当然ながらコンプレッサーの現状把握を行う必要があります。
当社のあるこの愛知県三河地区は非常に車関係の製造業が多くあります。この車関係の製造業ではコンプレッサーで使用されるエネルギーの割合が高いため、コンプレッサーの省エネが工場全体の省エネにつながる場合が多くみられます。
では、“現状把握”を行う際に何を把握すればいいのでしょうか・・・。
結論から先に言いますと、それはコンプレッサーの『比動力値』だと考えています。
しかしながら、当たり前の話ですが、実際の工場ではコンプレッサーの効率や、設置台数、負荷状況、吸い込み温度状況が全く異なってくるため、カタログ数値通りエアーを効率よく作り(使用し)続ける事はできません。
比動力が変化する(カタログ値と異なる)要因を以下にまとめてみました。
(吸込条件は2013年6月からのメルマガ“吸気冷却について考える”も是非参考にして下さい)
コンプレッサーの省エネ手法はたくさんありますが、大元であるコンプレッサーが効率よくエアーを送りだしていなければ、それ以外での対策があまり意味を持たなくなってしまう場合があります。特に複数台同時に運転している場合は一度この“比動力”がどのくらいなのか確認してみる事が今後の省エネ活動に対して非常に重要と考え当社では、現状把握の一環として流量計と電力計の設置をお勧めしています。ご要望があれば是非当社営業担当にご連絡下さい。
次回は現状把握“エアー漏れの現状把握”をご紹介します。
HIC豊安工業株式会社のブログです。