2015年05月20日

■現場改善委員会第1回 : 配管劣化■

みなさんこんにちは。
月変わりでお届けする技術系新コーナーの第2弾として、

題して “現場改善委員会” 第1回をお届けいたします。

ここでは工場における、生産や保全業務の効率向上、安定生産に着目し、
さまざまな角度から現場の改善を考えていこうというコーナーです。

第1回のテーマは配管劣化についてお送り致します。

ポンプやコンプレッサー、ボイラーなど原動機器は使用するうちに老朽化していき、いずれは更新時期となります。
当然ながらそれらを繋ぐ配管も劣化していくのですが、配管の劣化は機器類に比べ、いきなり大きなトラブルに繋がることはありません。

しかし、じわじわと、そして確実に生産における安定供給をむしばんでいき、ある日突然無視できない甚大な問題を引き起こす可能性があります。


そして、一旦問題が起こると、機器のように単純に交換とはいかないケースも多いため、復旧改善に突発的な多額の費用が発生するだけでなく、現状把握を含め長期にわたる復旧時間が必要となる恐れもあります。

そのような事態が起きないためにも、中・長期的に配管の更新計画をたてて、
こまめに、無理なく実施していくことが大切だと考えます。

そしてその第一歩が配管劣化の兆候を見極めることだと言えます。


こんな点に心当たりはありませんか?

1.細かい漏れ修理が増えてきた。

特に写真のような簡易の漏れ修理継手をよく使っていないでしょうか?


 
このような配管は、内面腐食が進行している恐れがあります。


このような配管は、内面腐食が進行している恐れがあります。


■現場改善委員会第1回 : 配管劣化■

このまま内面腐食が進むと減肉による管材強度の低下から最悪配管が折れて甚大な漏れ事故につながる可能性があります。 
また、漏れにつながらないとしても内面は錆などにより機器への異物混入や、飲み水配管などの場合は衛生的にも良くありません。 
 
 
 
     2.生産量や人が増えていないのに使用量が増加した。      
 
埋設管など隠ぺい部での外面腐食が進行している恐れがあります。

このまま内面腐食が進むと減肉による管材強度の低下から最悪配管が折れて甚大な漏れ事故につながる可能性があります。
また、漏れにつながらないとしても内面は錆などにより機器への異物混入や、飲み水配管などの場合は衛生的にも良くありません。



2.生産量や人が増えていないのに使用量が増加した。

埋設管など隠ぺい部での外面腐食が進行している恐れがあります。


■現場改善委員会第1回 : 配管劣化■

弊害としては、基本的には内面腐食と同様ですが、最大の問題点は発見しづらいため知らないうちに漏えい汚染や漏えい損失につながっている可能性があるということです。 
 
 
     3.必要な流量が流れなくなった・・・。      
 
設備や機器に問題が無いようならば 
堆積物による管路の閉塞が進行している恐れがあります。

弊害としては、基本的には内面腐食と同様ですが、最大の問題点は発見しづらいため知らないうちに漏えい汚染や漏えい損失につながっている可能性があるということです。


3.必要な流量が流れなくなった・・・。

設備や機器に問題が無いようならば
堆積物による管路の閉塞が進行している恐れがあります。


管路の安定供給が妨げられ、生産効率の低下に繋がります。
例えば写真(↑)の配管の場合、50A分の流量が必要な系統に対し、25Aの配管を繋いでいる事と同等の状態になっていると言えます。
搬送機器への負荷も増えるので場合によっては、エネルギーロスに繋がっている可能性もあります。
 

4.配管の外観に異常がみられる。

鋼管の表面への浮き錆も問題ですが、ここでは特に塩ビ管に対して注意が必要です。
一般的には塩ビ管は腐食が無いので大丈夫と考えられがちですが、化成製品特有の劣化が存在します。

代表的な例が紫外線などによる耐光劣化、白化現象です。
これは材質そのものが硬化し、非常に割れやすくなってしまいます。
分かりやすいイメージでいうと、屋外で長期間放置された樹脂製品がボロボロになってしまうような感じです。

もう一つが特に薬液配管に発生する、しみだしという現象です。
一見、結露にも見えますが実際には管材の一部成分が管内の薬液により溶けてしまいスポンジ状となり表面にしみだしてきている現象です。基本的には管材選定におけるミスマッチで発生します。
薬液管路に発生する特性上、少量の漏れでも大きな事故につながる可能性があります。


***
以上、配管劣化における代表的な兆候をご紹介させていただきました。
もし兆候がみられる管路があるようならば、補修頻度、系統の重要度、使用流体、周囲状況(人通りが多い、精密設備があるなど)から総合的に検討し優先順位を定め、更新計画を立てていきます。


管材・環境・用途によって幅はありますが、一般的に配管の更新時期は15~30年と言われています。

突発的な修理で対応を続けても漏れが多発している管路は近い将来、更新せざるを得ない時期が必ず訪れます。
また、修理を続けた結果、最終的に更新となってしまった場合、それまでの修理費が結局無駄になってしまいます。

配管は水や、蒸気、エアーなど、さまざまな流体あるいはエネルギーの搬送を目的としています。
いうならば、生産におけるライフラインであり、体でいう血管のようなものであると言え、地味ではありますが、とても重要なものと言えます。


そのような配管の状況を今一度注目、確認をしてみてはいかがでしょうか?

次回は月替わりでお届けする技術系新コーナーの最終となる第3弾を予定しています。来月の新コーナー及び、次回の現場改善委員会をお楽しみに!




HIC豊安工業株式会社のブログです。

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