2013年03月25日
今回は「ポンプの省エネとその落とし穴」シリーズ最終回となります。
最初に、先月2月27日に開催致しました、弊社ショールームでの勉強会では、たくさんの方にご出席いただきましたことをこの場を借りてお礼申し上げます。
言葉だけでは中々伝わらないことも実機を用いて体感してみることでより効果が実感できたのではないかと思います。
それでは、先日のセミナーに参加して頂いた方は復習になりますが最初に今までのまとめと前回の問題の答え合わせをしたいと思います。
ポンプの省エネ手法のまとめとなります。
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以上をふまえての前回の問題となります。
Q.水位制御を行い、水槽が枯れることなく間欠運転で連続供給する方法と、INVで回転数制御を行い連続運転で連続供給する方法どちらが消費電力でお得になるでしょうか?
結果は以下の通りでした。
(クリックにて拡大)
いかがでしたか。予想は的中できましたか??
では、ちょっと解説してみます。
水位制御の場合、ポンプは間欠ですが全開運転します。少し混同したかもしれませんが、全開運転で効率がいいと説明したのはあくまでもinvを設置して全開運転(60Hz設定)した時と比較した場合です。
水位制御を行うことにより流量、つまり速度エネルギーは結果として適正量になったといえますが圧力エネルギーに関しては変化することなく必要以上にエネルギーを使用しているともいえますので、積算電力計にて測定したところ1.5kwという消費電力となりました。
しかしながらバルブにて流量調整する事に比べれば(流量調整時は3.46kw)約半分の電力で連続供給が可能となりました。
回転数制御に関しては電力グラフから分かるものの一定負荷で送水を行いますので一部若干の変化はあるものの、ほぼ一定の電力で連続供給することが可能となります。
また前回説明した通り必要なだけ送水していますので消費電力も非常に低く抑えることができます。
では、今回実験に使用しました計測器をご紹介して省エネ問題と解説のまとめとさせて頂きます。
(クリックにて拡大)
弊社では、このような省エネの第1歩といわれる現状把握を行うための計測器も扱っておりますので、お気軽に担当までお申し付けください。
いかがでしたでしょうか。
近年ではインターネットの普及により省エネ手法の情報が簡単に手に入る時代になってきました。しかしながら、数ある“省エネ手法”で必ず効果の出る手法はなかなか少なく、ある設備では効果が出るが、別の設備では効果が全くでないなど簡単にはいかない場合が多くあります。我々も“省エネ手法”は知恵と工夫だと考えております。
今後も固定観念にとらわれず、いろいろな観点からご提案ができるように努力して参ります。
さて、今回まで3回にわたりお話ししてきましたポンプの省エネ手法ですが、省エネに取り組む前にやはりポンプの事を知らなければならないということで、弊社ではこの春より定期的に、“ポンプトレーニングコース”を開催することとなりました。
“理論”より”実践”と弊社では考えていますので、カリキュラムでは実地の時間を中心に、頭ではなくできれば体で覚えていただく“見て、触って、体感する”をモットーに企画した若手保全マンや省エネマンに最適な内容の講演会となります。興味のある方は弊社勉強会担当までお問い合わせください。
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担当:技術支援グループ(山田・永井)
・TEL:0566-81-0885
・FAX:0566-82-0321
・e-mail:e-mail@e-houan.co.jp
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次回からは全3回にわたって「ブロワーについて考える」と題して新シリーズが始まります。
お楽しみに。
HIC豊安工業株式会社のブログです。
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