2013年06月25日
今回からはテーマが変わりまして“コンプレッサーの吸気冷却について考える”を全3回にわたってお送りします。
今月も非常に暑くなってきて、梅雨はまだ明けていませんがいよいよ夏本番が迫ってきました。コンプレッサーは夏場にトラブルが多くなる機械の1つですが、皆様のコンプレッサーはいかがでしょうか。
コンプレッサーは大気を圧縮(一般的には0.7MpaG程度)して送気する機械ですが、これからの季節はその大気温度(吸込み温度)がどんどん上昇していきます。大気(吸込み空気)の条件が変わるという事は当然コンプレッサーの運転状況も変化していきます。
例えるなら、人間も環境温度が暑くなればなるほど、仕事の効率が低下しますし、体調を崩したりします。同時に機械も一緒の事で運転の効率が低下したり、故障などの不具合を起こします。故障などのトラブルはまた別の機会でお話ししたいと思いますので今回は大気温度(吸込み温度)の上昇がエネルギーの観点から見てどの様に機械に影響するかをお話ししたいと思います。
今回はまず結論からお話しします。以下の様なグラフがあります。
(クリックにて拡大)
一言でいうと、“コンプレッサーは吸込み温度が低い方が効率が良い”という事です。
この表から分かるのは、理論上、同じ圧縮空気を作るのであれば20度の空気を吸い込むのと30度の空気を吸い込むのではその動力比は4%程変わっていくる事がグラフから分かります。
コンプレッサーが設置されている機械室こんな雰囲気になっていませんか?
(クリックにて拡大)
換気設備を今一度見直すことによって、コンプレッサーの吸込み温度を低下させることもでき、機械の不具合も減少させることもできます。
ここで今一度、空気の性質を考えてみましょう。
(クリックにて拡大)
3番の性質はいわゆる圧縮空気中に含まれるドレン量の問題に関係してきますが、このお話もまた別の機会にお話しするとして今回は1番について。
“空気には重さがあります”
熱い空気と冷たい空気とでは重さが異なるために例のように高いところと低いところの別々の場所に分かれてしまいます。要するに空気温度(吸込み温度)が低くなれば空気は重くなる。いわゆる空気密度【kg/m3】は温度が低くなれば大きくなるという事です。
コンプレッサーで考えてみると、大気温度(吸込み温度)が低くなると、その大気の密度が暖かい空気に比べて大きくなります。容積式のコンプレッサーの場合、温度を低下しても、吸込み空気量や圧縮に必要な電力は変化しませんが、空気密度の増加によりコンプレッサー出側では空気の体積は増加します。このため標準空気体積当たりでは電力量は低減されて、省エネルギーにつながるというわけです。
今回は机上の計算結果からどのくらい効果が出るかをお話ししましたが次回からは実際に弊社ショールームのコンプレッサーを使用して実際にどのような効果が出るかを実験してみたいと思います。
最後にこの場を借りてお礼と今後のPRをさせて頂きます。
本日(6/25)は弊社ショールームの定期セミナーに多数の方の参加を頂きました事をお礼申し上げます。
また、この8月でこのショールームも何とか3周年を迎える事となります。
つきましてはこの2年間に来場頂いたお客様からいろいろなご意見を頂きましたので、これらを反映させるために展示設備に大改修を検討しております。
今回からお話ししていきますコンプレッサーの給気冷却についても詳細はまだ秘密ですが、実際に効果を体感しその効果が実感できるように検討しています。
皆様方におかれましては、詳細が決定次第、近日中にはご案内できるように段取りしております。
今後も“見て、触って、体感できる”をテーマに一層の努力とメルマガでの情報発信を心掛けていきますので今後とも何卒よろしくお願い致します。
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