2013年08月26日
最初に、先日(8/23.24)行われました弊社スマートファクトリーショールームの3周年イベントにたくさんの方がお越しいただきました事をこの場を借りてお礼申し上げます。
前回まで、吸気温度を低下させるとなぜ省エネにつながるかをお話ししてきました。
今回は実際の機器を使用しましてどのくらい消費電力が低下してくるかを実験してみました。
先日のイベントにも展示させていただきました吸気冷却の実験装置となります。
上記のような実験装置で一定時間運転させて、吸気温度、流量、電力をそれぞれ連続記録して変化の推移をグラフ化してみました。
現在のコンプレッサーの吸込み限界温度は約40℃ぐらいといわれています。今回はあくまで実験ですのでかなり高い温度域まで昇温していますが、あくまで実験値ということでご了承ください。
このグラフから40℃及び20℃近辺の電力値を比較すると約2.5%程の電力削減が確認できました。
若干ではありますが吸気温度を低下させると、今までのお話ししてきた様に消費電力が削減できることが実験値より確認できます。
一般的な数値では“吸込み温度を10℃低下させると、2%の省エネ効果がある”と言われています。この考え方からいくと今回は20%低下させているので4%程効果が出るはずなのに2.5%程しか効果が出ていない要因は以下の様な事だと推定しています。
(1) この省エネ効果の数値はあくまでもコンプレッサー単体の数値だが、
今回の電力測定はドライヤー等を加味した総合電力となっている事
(2) インバーター機にて実験を行っている事
(3) 今回の実験では湿度の変化を考慮に入れていない事
などと推測されますが確実に温度変化に伴い消費電力が低下している事が分かります。
ここで少し違った考え方はできないでしょうか。今年は非常に暑く、この暑さの影響でコンプレッサーが異常停止してしまったお客様はいないでしょうか。弊社にも数件の問い合わせがありました。
今回の実験装置の様に異常で停止してしまうコンプレッサーの吸込み口に、スポットエアコンを使用することによって吸気冷却をしてみませんか?
吸気冷却を行う事により消費電力が低下します。しかし、冷却用にも電力を使用するため、その省エネ効果が極小となりますが、稼働環境から考えると吸込み温度が改善され、不慮のトラブルがなくなるという考え方はできないでしょうか。
余分なトラブルやメンテナンスを削減させることも、ある意味間接的な省エネルギーといえるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
“吸気冷却について考える”でしたが、吸気冷却による省エネ、吸気による機器のトラブルでお困りのお客様是非、弊社担当者までご一報願います。
次回からは蒸気の放熱のお話しとなります。
お楽しみに。
HIC豊安工業株式会社のブログです。
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