2013年09月25日
皆さんこんにちは。残暑の厳しい中いかがお過ごしでしょうか。
今回からはテーマが変わりまして、熱関係のお話しとなります。
季節的にはまだ早いですが、これから冬にかけて蒸気の利用が多くなっていきます。
弊社では、蒸気設備の省エネを勧めるポイントとして以下の様に紹介しています。
今回の内容は②の放熱の防止となります。
ご存知のとおり蒸気は非常に温度が高い気体です。
一般的に蒸気圧力は0.7MPa前後にて使用されている場合が多いと思われますが、この時の温度は約170℃程となります。
ところで・・・今年の夏は非常に暑かったですね。
ボイラー室などではひょっとすると50℃ぐらいまで上がっていたところもあるのではないでしょうか。
しかし、いくら暑い環境でも配管の中の蒸気の温度は170℃もありますので、そのままの状態が続くと放熱で蒸気がどんどんドレン化(蒸気がお湯に戻ってしまう事)してしまいます。
完全に配管の内外での熱の移動を遮断する事はできませんが、このような無駄な放熱を防ぐために通常蒸気配管及び設備には保温(一般的にグラスウール)という施工を施して放熱を抑えています。
しかし、以下の様な状況はないでしょうか?
これは蒸気を分配する蒸気ヘッダーですが各系統にバルブを取り付けております。配管等はほとんどの場合、新設時に保温をしますが、メンテナンスの事を考慮してバルブやフランジ部分には保温を施さない場合があります。
また、漏れ修理をした際に、保温をし忘れる事はないでしょうか。
バルブやフランジ部分の割合は蒸気設備全体に占める割合でいくとそんなに多くはないですが、蒸気の温度と雰囲気温度の差から放熱している事は間違いありません。
では、そのような部分からいったいどのくらいの放熱があるのでしょうか?
計算してみました。
いかがですか。
ボイラーの使用量が多い場合、燃料費(今回はA重油で試算)は結構な費用がかかります。
削減比率は割合的にみるとそんなに大きくないかもしれませんが、適正に保温することによって試算上は239,000円の効果が得られます。
この金額、皆さんは安いと思われますか? それとも高いと思われますか?
今回のお話しはここまで。
次回は実際の放熱防止の方法についてお話ししていきます。
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