2014年01月29日
皆さんこんにちは。
相変わらずの寒い日が続きますが体調はいかがでしょうか。
今回からは話題が変わりまして、“ボイラーの空気比について考える”となります。
ボイラーの省エネ管理をするにあたり、いわゆる管理標準の判断基準となるのは、空気比や廃ガス温度となります。今回はこの空気比について考えてみます。
まずは空気比についてですが、ボイラーは缶内の水に燃焼の熱エネルギーを与えて蒸気にして送気する機器となりますが、この燃焼は当然のことながら燃料(ガスや油)と空気を混同させ燃やす事によって行われています。
一般的に燃焼においては燃料とその燃料の組成から空気量を算出した量(理論空気量:Ao)を混合させ燃焼させますが、この理論空気量だけで燃焼させるのは難しい為、実際には若干多めに空気量(実際投入空気量:A)を投入しています。この“多め”に投入している空気の割合を空気比として表します。
空気比が極端に低いと不完全燃焼による煙の発生や、ボイラー効率の低下、最悪失火などの機械的なトラブルになる事もあるので、空気比は高めに設定されている場合がほとんどです。逆に空気比が高い、つまり空気量が多すぎると燃焼に必要以上の空気を暖めてしまうために燃料消費量が増加してしまいます。
この空気比と省エネの関係は次回の話題としまして今回はどうしたら空気比が分かるか、空気比の測定方法をご紹介します。
空気比の求め方はいろいろとありますが、前述のとおりである一般的な廃ガス内の酸素濃度を測定する方法をご紹介します。
測定機器はポータブル型の廃ガス測定器でボイラーの煙突にある廃ガス測定孔より専用のプローブを挿入して測定します。O2濃度が表示されますので計算式から空気比を割り出します。
空気の確認(測定)はこのような計測器を用いれば比較的容易に確認する事が出来ます。ただし、調整に当たっては専門的な見地が必要となりますので注意が必要となります。
次回は今回のこの空気比の違いが燃料使用量にどのくらい関わってくるかをショールーム設置のボイラーを使って実験してみます。
お楽しみに。
最後になりますが、
空気比の調整(燃焼調整)適正なメンテナンスの上に成り立っていると弊社では考えています。残念なことに年間数件悲しい事故を耳にします。くれぐれも調整に当たっては専門業者にご相談下さい。
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