2018年04月10日
ポンプ設備において、第2弾の省エネ紹介をします。
ポンプには、色々な種類があり、運転方法により効果が大きくなります。
今回は、機種変更による省エネの紹介をします。
目的
「送水ポンプの設備において、電力の削減を行う」
得られる効果
・設備の負荷に応じた、水量・圧力などをタイムリーに供給する事ができる。
・ムダ(余剰電力)を取る事が出来る。
考えられるリスク
・ポンプ本体の初期費用がかかります。
・設置するための配管の改造とスペースが必要となる。
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1. 初めに給水装置の種類について
(1)公共の道路から直接取り込む、直接給水方式(一般の家庭)
(2)マンションや工場など受水槽を設け、そこから配水する自動給水方式
イ・推定末端圧力一定給水(インバーター方式)
末端の圧力を予想してポンプを運転する方式
流量が少ない場合は、設定圧力よりも低い圧力で制御して運転している。
(設置圧力の90%)
配管の圧力損失を考慮しながら、マイコンで制御することにより省エネをしている。
ロ・吐出し圧力一定給水
吐出し圧力一定給水ポンプユニットの場合は、減圧弁で制御している。
※極小水量では昇圧する。
ハ・定圧給水
定圧給水ポンプユニットの場合、ポンプの最大締切圧力が停止圧力となる、圧力値の変更はできません。
始動圧力は設定が可能です。
2. 自動装置の特徴について
(1)ポンプ、制御盤、圧力発信器、流量センサー、チャッキ弁、アキュームレーターが一つのユニットになっている。
(2)圧力タンク方式に比べ大幅に設置スペースの縮小。
(3)ソフトスタート、ソフトストップによりウォーターハンマーがおきない。
(4)始動電流も定格以下の為、他の電源に与える影響も少ない。
(5)高調波、ノイズ対策、落電対策もOKです。
3. 事例紹介
(クリックにて拡大)以下同
4. 更新の際の注意点
(1)選定の際には流量調査を行う。季節による変化の確認
(2)24時間運転の場合、生産を停止させない予備品の準備
(3)定期的なメンテナンス
【お問い合わせ先】
営業部 高橋・黒木まで
TEL:0566-81-0885
2015年01月20日
みなさんこんにちは。
4月からのリニューアル化に伴いこの“技術情報”も模様替えを予定しています。
そのため、来月からしばらくこのコーナーはお休みとなります。
時のたつのも早く、メルマガ立ち上げとともに始まったこのコーナーも丸3年となります。
省エネ手法や機器の特徴などをショールーム内の実機を使用し実演、データの採取なども行い、ありのままの情報をお伝えしていく事をコンセプトとして続けてきました。
表現方法の検討から、デモ機の製作まで社内で話し合い、手作りで行ってきたため、結果も予定通りうまくいったものから、うまくいかなかったものまでさまざまです。
さて、今回はリニューアル前の最後としまして、そんな実演事例を、思い入れのあるものから独断で3点ほどピックアップして、ランキング形式で振り返ってみたいと思います。
(※詳しい結果や内容を再度確認されたい方はピックアップ事例の各画像下に貼ってあるURLから当時の記事に飛べます。)
それではまずは第3位!
コンプレッサーの管理項目として挙げられる吸込みフィルターの詰りがどのような影響を与えるのか
「コンプレッサーの省エネ比較」実演です。
◇シリーズ第2回 コンプレッサーについて考える◇*****
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/19/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/25/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/29/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/35/
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方法は単純でコンプレッサーの吸気口にスポンジを突っ込んで、電力量・流量を測定し、正常な状態と比較してみました。
発想は単純ですが工場で使用しているコンプレッサーで試すには少し気が引けるのではないでしょうか?
ショールームのコンプレッサーならではの実演ですね。
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続きまして、第2位!
次はエアー管路の圧損を測定、比較してみようということで製作した
「圧力損失見える化装置」を使っての実演です。
装置の詳しい内容は下の画像で確認して頂くとして、これ、数々の装置の中でも表現としてかなりうまくいったものではないかと勝手に思っています。
◇シリーズ第9回 エアー設備の圧力損失について考える◇
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/85/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/87/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/91/
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残念ながら動画として撮影はしていませんが、イベント時における展示では皆様に大変興味を持っていただけました。
もし、実際に動いているところを見てみたいという方がお見えになるようでしたら是非ショールームに遊びに来てください。
現在、動かせる状態で常時展示してあります。
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さて、いよいよ第1位の発表です。
第1位は・・・「ウォーターハンマー実演」です。
これはメルマガ技術情報用として一番最初に行った実演です。
まだこの時はショールーム内の設備も充実しておらず、ショールームではなく社内の1階で仮設して行っている思い出の実演でもあります。
(現在はショールームに展示用としていつでも動かせる状態でばっちり組まれています!)
◇シリーズ第1回 スチームトラップについて考える◇***
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/3/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/9/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/13/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/16/
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実はこの動画、一番最初のものでありながらほかの実演動画と比較して再生回数がダントツ1番なのです。さらにこの動画が「ウォーターハンマー」というキーワードに引っかかるのか、今もなお再生数が増え続けています。ウォーターハンマーは多くの方が関心を持ってみえる現象といえるのかもしれませんね。
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他にもいろいろな実演を、時には動画を交えながら紹介させて頂きました。
中には分かりづらいものもあったかと思いますがご了承ください。
これで一旦技術情報はお休みさせて頂きますが、4月リニューアル時には取扱い分野を広げ、皆様にさらに幅広い情報をお届けできるコーナーとなれるよう企画しています。
ぜひ、4月からの新生 技術情報(仮)もよろしくお願いいたします。
2012年06月25日
第3回目となる今回は、「ストール現象」についてご紹介していきます。
皆様方の工場において、空調設備で蒸気式の熱交換器を使用して、工場内の温度管理をしている場所は無いでしょうか?
また、生産設備においても蒸気の比例式調整弁を使用していませんか?
最近では、温度制御もシビアなものが求められています。
それに伴い従来のON-OFF制御から、温調計と温度センサーを使用した比例制御を用いているところが多くなっています。
このシビアな温度管理を行うために用いられる比例制御が、ON-OFF制御時では発生しなかった「ストール現象」の様な新たなトラブルを引き起こす事があります。
そして、その代表的な例が、先回でも少しご紹介しました「比例制御している空調用の熱交換器が定期的に破損してしまう」という事例なのです。
まず、この現象を理解する上で押さえておくべきポイントが2つあります。
1. 蒸気の急速冷却によるハンマー発生原理
2. 送気圧力とトラップのドレン排出能力の関係
1番目のポイントに関しては、第2回にてご紹介しておりますので説明は割愛させていただきます。
(参照:第2回 http://www.hic-news.com/admin/pre/blog.php/v/9/ )
今回は2番目のポイントとなる送気圧力トラップ排水量の関係を簡単にですが説明致します。
スチームトラップは圧力差があって、初めて流れる様、設計されています。
そのため、排出能力は同じトラップでも入口と出口の圧力差が大きい程高くなるのです。
逆に、圧力差が0またはマイナスになると、いくら排出能力の高いトラップでも排出不良となります。
(クリックにて拡大)
ポイントとなる2つの点を抑えて頂いた上で、本題の「ストール現象」とは何かを解説していきたいと思います。
工場空調の一部を加温するために蒸気式熱交換器をダクトの間に入れて空調していたとします。
熱交換器に入る手前に比例式の蒸気制御弁があり、蒸気出口には温調トラップがついていました。
最初は部屋が冷えているので制御弁は全開状態です。トラップも順調にドレンを排出していきます。
次第に部屋の温度も上がり設定温度に近づくに連れて比例制御弁も少しずつ閉まっていきます。それに伴い熱交換器内の圧力も下がっていき、やがて0になります。従って蒸気ドレンも徐々に出にくくなり蒸気ドレンが熱交換器内に溜まって排出できない状態になります。
これが「ストール現象」です。
(クリックにて拡大)
このような状態になってしまうと熱交換器内の管路が冷やされ、また熱交換器自身も本来の能力を発揮できなくなってしまいます。
そうなると、部屋の温度も下がっていきますので、再加温しようと比例制御弁が解放されて熱交換器内に蒸気の送気が開始されます。
この時、冷えたドレンの中に蒸気が入る形となり、ウォーターハンマーが発生します。
また、熱交換器内に常にドレンが滞留している形となりますので腐食の原因にもつながります。この繰り返しが熱交換器の寿命を著しく短くしていくのです。
ストール現象の弊害をまとめてみます。
1. 熱交換器内にドレンの滞留による腐食・劣化
2. 熱交換器内ウォーターハンマーによる破損
3. 熱交換器内ドレン滞留による能力低下
ストール現象を防ぐ方法として3つ挙げられます。
1. パワートラップや真空ポンプで強制的にドレンを排出する。
→これはウォーターハンマー及び腐食防止のためです。
2. 熱交換器とトラップとの落差を300mm以上とる。
→これは落差を設けることにより差圧ができてドレンが
抜けやすくなるためです。
3. スチームトラップはフロート式を選定する。
→これはトラップの中でも1番差圧が少なくても作動するためです。
どうでしたか。「ストール現象」というものは他にも設計当初では問題がなくても稼働状況の変化によって起こる場合や、トラップの二次側に背圧がかかる場合など様々な状況で発生する可能性があります。このような現象でお困りでしたら、是非お気軽にご相談ください。
最後に、弊社ショールーム「スマートファクトリー」にて、お客様にもっと深く知っていただけるように、実演機を作って再現できるかを試してみました。
こういったトラブルというものは条件が揃わないと中々うまく再現することができません。
私達も色々なトラブルを再現させようと実験していますが、逆にトラブルを起こそうと思ってもうまくいかないことの方が多いのです。
そのことからも実際にトラブルが起きた時も原因を追究することはかなり難しいことが分かります。トラブルの原因というものはたいてい複数の要因が重なって起こることがほとんどだからです。
尚、弊社省ルームにて今回ご紹介したストール現象の再現をはじめとする、色々な実験を体験することができます。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
2回にわたって、ドレンの滞留によるトラブルについてご紹介してきましたが、次回、本シリーズ最後のテーマは、トラップが原因で起こるもう一つの要因である「蒸気漏れで引き起こすトラブル」に焦点をあてて、生産現場の改善を考えていきたいと思います。
次回をお楽しみに。
この記事に関してご意見・ご質問等ございましたら、GKC担当:永井までお気軽にお問合せください。
2012年05月23日
スチームトラップが原因でおこる弊害の要因は2つあります。
要因(1): ドレンが滞留して引き起こすトラブル
要因(2): 蒸気が漏れて引き起こすトラブル
最初にご紹介させていただく現象として、
要因(1)の“ドレンが滞留して引き起こすトラブル”の中でも、非常に多くのお客様のもとで確認される『ウォーターハンマー』という現象を取り上げていきたいと思います。(要因(2)に関しては後日ご紹介)
↑ ◇ウォーターハンマー 実験動画 中央の再生ボタンをクリック◇
こちらの映像がウォーターハンマーという現象です。弊社内にて再現してみました。
先回にも少し触れましたが蒸気使用時に大きな音や振動を伴う現象をウォーターハンマーといいます。
このウォーターハンマー現象は配管及び支持金物や蒸気設備などの破損、寿命の低下の原因になります。
では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?以下で具体的に説明していきます。
ウォーターハンマーの起きる原因は?
蒸気は冷えると当然、水に戻りドレンとなります。
そのため蒸気管路には液体と気体が同一管内に同時に流れることとなります。
液体と気体は流れるスピードが違うため(液体は通常2m/sec、気体は30m/sec程度の速度)、管底に溜まっているドレンが気体に押される形で波を発生させます。
このドレンの波が徐々に大きくなり、最終的にはドレンの壁が蒸気に押され継手等に衝突して、大きな音と衝撃を発生させるのです。
特に月曜日など仕事始めは蒸気配管内にドレンとして水が溜まってるため発生しやすく、バルブを開けるときには注意が必要です。
※上記のようなイメージでウォーターハンマー現象は起きています。
このウォーターハンマー現象は、蒸気配管の施工方法を的確に行われないと必ず発生するため、不具合事例も非常に多く、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
以上が一般的に広く認知されているウォーターハンマーの原因ですが、蒸気自体が急激に冷やされることによっても、ウォーターハンマーは発生するということをご存知ですか?
蒸気は冷えるとドレン化します。蒸気とドレンの比体積差は1640倍です。蒸気は冷たいドレンに触れると一気に凝縮して蒸気体積がほぼゼロになります。
この凝縮過程で今まで蒸気で充満していた空間は一気に真空状態になります。この真空部分に向かって一気にドレンが押し寄せドレン同士がぶつかり合うことによりウォーターハンマーが発生します。
『比例制御している空調用の熱交換器が定期的に破損してしまう。』
このようなことに心当たりはありませんか?
この現象は水質によることも多くありますが、実は先ほどの蒸気の急速冷却によって発生するウォーターハンマーが原因である可能性があります。
この現象は一般的に「ストール現象」と呼ばれています。
これは身近に発生しておりますが、間違った原因として処理され、結果的に改善できずに放置されていることが多い現象です。
次回は身近にありながら意外と知られていない、この『ストール現象』についてお話させていただきます。
尚、弊社省ルームにて今回のウォーターハンマーの再現を始めとする蒸気設備の実機を、見て体感して頂けます。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。
この記事に関してのご意見、ご質問等ございましたら、
GKC担当、永井までお気軽にお問合せ下さい。
2012年04月23日
生産活動において、身近に利用されているものの一つとして『蒸気』があります。しかしながら、蒸気というものは漏れ、破損、保全工事が多い等、状態にムラがあり、信頼性に乏しいものと感じられている方は意外と多いのではないでしょうか?
蒸気管路において、健全な生産活動の妨げになる要因として、蒸気を使用するにあたり発生する『蒸気ドレン』が非常に多く関わってきます。
言い換えれば蒸気管路において発生するドレンをいかに迅速にかつ確実に外部へ排出できるかどうか、これが蒸気使用設備の生産効率の向上におけるカギであると断言できます。
このドレンを排出するという重要な働きをする機構が『スチームトラップ』です。
第1回目のテーマとして当社が得意としている蒸気設備の中の『スチームトラップ』に焦点をあて、トラブル事例を基に生産現場の改善を全4回に分けて考えていきたいと思います。
早速トラブル事例を紹介したいところですが、その前にまずは『スチームトラップ』とはそもそもどういう機器なのか?ということをある程度知っておく必要があります。
なかにはもう十分ご理解されている方々もお見えになると思いますが、おさらいという形で少々お付き合い下さい。
(1)トラップとは
トラップ=罠(わな)英語でわなという意味です。
罠を仕掛けてドレンを排除するそれがスチームトラップの語源です。
(2)スチームトラップの機能には3つあります。
1.蒸気ドレンを素早く排出する機能
2.蒸気を漏らさない機能
3.不凝縮ガス(エアー炭酸ガス)を抜く機能
(3)トラップの種類は
トラップの種類は世界中で3000種類あるといわれております。
1.メカニカル式(フロート式、バケット式)
2.サーモダイナミック式(ディスク式)
3.サーモスタティック式(温調式)
冒頭の写真は当社省ルームにて実験用の各種スチームトラップです、上からフリーフロート式、バケット式、ディスク式、温調式トラップです。
これを分解してみると構造は下記のようになっています。
トラップも使用用途によって以下のような特性がありますので使用する場所によって使い分けを行うと効率よく使用することができます。
(クリックで拡大)
いかがでしょうか?少なからずトラップというものがご理解いただけたでしょうか?
では次月より、いよいよ本題に入っていきたいと思います。
お客様の現場で以下のような現象はありませんか?
《蒸気使用時大きな音や振動が発生する》
これは「ウォーターハンマー」という現象の典型的な例です、ひどいものになると、建屋がゆれて恐怖感を感じてしまうケースもあります。
次回はこの「ウォーターハンマー」という現象を中心に紹介したいと思います。
尚、今回ご説明しました蒸気トラップの実物を弊社スマートファクトリー省ルームにて展示してあります。近くにお立ち寄りの際はお気軽にお尋ねください。
この記事に関してのご意見、ご質問等がありましたらGKC担当、永井までお問い合わせください。
HIC豊安工業株式会社のブログです。