2015年04月16日
みなさんこんちには。
今回から始まりました新コーナー!その名も
『ひろしとなおやのメンテ日記』
主にボイラーのメンテナンスを行う部署、私たち“エンジニア部”の2人が
日常の業務で目の当りにするトラブル、ちょっとした気づき、目からウロコの発見などなど、自分たちの経験を通してエンジニア部ならではの視点から、少しでもお客様へお役に立てる技術情報を目指してお伝えしていきます。
さてさてメンテ日記1日目。
本日の作業は
小型貫流ボイラーの圧力センサー取替です。
圧力センサーはボイラーの圧力状態をコンピューターに送る機器、これが壊れるとボイラーが燃焼し続けたり、燃焼しなくなったりします。
つまり!非常にまずいことになります。
このセンサーは故障しており、無圧状態で0.59MPaの圧力表示が出ます。
このまま使うと本来の設定圧力まで燃焼しません。
そこで
圧力センサー線のシースを剥いて・・・
シールドを落として・・・
結線完了。
見た目を整えてOK!
さて試運転をやろうかな
・・・と思ったら制御盤内が汚いな。
掃除するか。
綺麗になりました。
制御部にホコリは良くありません。(時々掃除してあげて下さい!)
トラッキング現象が起こります。
<※トラッキング現象とは・・・?>
通電部にホコリがたまり火災が起こること。
試運転確認をし、作業完了!帰路につきます。
これで今日も安心して寝ることができます。
責任感を持って仕事をすれば
自分の安心=お客様の安心です。
自分の幸せがお客様の幸せだ、と自信を持って
言えるサービスエンジニアになりたいな。
2015年01月20日
みなさんこんにちは。
4月からのリニューアル化に伴いこの“技術情報”も模様替えを予定しています。
そのため、来月からしばらくこのコーナーはお休みとなります。
時のたつのも早く、メルマガ立ち上げとともに始まったこのコーナーも丸3年となります。
省エネ手法や機器の特徴などをショールーム内の実機を使用し実演、データの採取なども行い、ありのままの情報をお伝えしていく事をコンセプトとして続けてきました。
表現方法の検討から、デモ機の製作まで社内で話し合い、手作りで行ってきたため、結果も予定通りうまくいったものから、うまくいかなかったものまでさまざまです。
さて、今回はリニューアル前の最後としまして、そんな実演事例を、思い入れのあるものから独断で3点ほどピックアップして、ランキング形式で振り返ってみたいと思います。
(※詳しい結果や内容を再度確認されたい方はピックアップ事例の各画像下に貼ってあるURLから当時の記事に飛べます。)
それではまずは第3位!
コンプレッサーの管理項目として挙げられる吸込みフィルターの詰りがどのような影響を与えるのか
「コンプレッサーの省エネ比較」実演です。
◇シリーズ第2回 コンプレッサーについて考える◇*****
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/19/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/25/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/29/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/35/
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方法は単純でコンプレッサーの吸気口にスポンジを突っ込んで、電力量・流量を測定し、正常な状態と比較してみました。
発想は単純ですが工場で使用しているコンプレッサーで試すには少し気が引けるのではないでしょうか?
ショールームのコンプレッサーならではの実演ですね。
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続きまして、第2位!
次はエアー管路の圧損を測定、比較してみようということで製作した
「圧力損失見える化装置」を使っての実演です。
装置の詳しい内容は下の画像で確認して頂くとして、これ、数々の装置の中でも表現としてかなりうまくいったものではないかと勝手に思っています。
◇シリーズ第9回 エアー設備の圧力損失について考える◇
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/85/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/87/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/91/
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残念ながら動画として撮影はしていませんが、イベント時における展示では皆様に大変興味を持っていただけました。
もし、実際に動いているところを見てみたいという方がお見えになるようでしたら是非ショールームに遊びに来てください。
現在、動かせる状態で常時展示してあります。
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さて、いよいよ第1位の発表です。
第1位は・・・「ウォーターハンマー実演」です。
これはメルマガ技術情報用として一番最初に行った実演です。
まだこの時はショールーム内の設備も充実しておらず、ショールームではなく社内の1階で仮設して行っている思い出の実演でもあります。
(現在はショールームに展示用としていつでも動かせる状態でばっちり組まれています!)
◇シリーズ第1回 スチームトラップについて考える◇***
第1回:http://www.hic-news.com/blog/v/3/
第2回:http://www.hic-news.com/blog/v/9/
第3回:http://www.hic-news.com/blog/v/13/
最終回:http://www.hic-news.com/blog/v/16/
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実はこの動画、一番最初のものでありながらほかの実演動画と比較して再生回数がダントツ1番なのです。さらにこの動画が「ウォーターハンマー」というキーワードに引っかかるのか、今もなお再生数が増え続けています。ウォーターハンマーは多くの方が関心を持ってみえる現象といえるのかもしれませんね。
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他にもいろいろな実演を、時には動画を交えながら紹介させて頂きました。
中には分かりづらいものもあったかと思いますがご了承ください。
これで一旦技術情報はお休みさせて頂きますが、4月リニューアル時には取扱い分野を広げ、皆様にさらに幅広い情報をお届けできるコーナーとなれるよう企画しています。
ぜひ、4月からの新生 技術情報(仮)もよろしくお願いいたします。
2012年05月23日
スチームトラップが原因でおこる弊害の要因は2つあります。
要因(1): ドレンが滞留して引き起こすトラブル
要因(2): 蒸気が漏れて引き起こすトラブル
最初にご紹介させていただく現象として、
要因(1)の“ドレンが滞留して引き起こすトラブル”の中でも、非常に多くのお客様のもとで確認される『ウォーターハンマー』という現象を取り上げていきたいと思います。(要因(2)に関しては後日ご紹介)
↑ ◇ウォーターハンマー 実験動画 中央の再生ボタンをクリック◇
こちらの映像がウォーターハンマーという現象です。弊社内にて再現してみました。
先回にも少し触れましたが蒸気使用時に大きな音や振動を伴う現象をウォーターハンマーといいます。
このウォーターハンマー現象は配管及び支持金物や蒸気設備などの破損、寿命の低下の原因になります。
では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?以下で具体的に説明していきます。
ウォーターハンマーの起きる原因は?
蒸気は冷えると当然、水に戻りドレンとなります。
そのため蒸気管路には液体と気体が同一管内に同時に流れることとなります。
液体と気体は流れるスピードが違うため(液体は通常2m/sec、気体は30m/sec程度の速度)、管底に溜まっているドレンが気体に押される形で波を発生させます。
このドレンの波が徐々に大きくなり、最終的にはドレンの壁が蒸気に押され継手等に衝突して、大きな音と衝撃を発生させるのです。
特に月曜日など仕事始めは蒸気配管内にドレンとして水が溜まってるため発生しやすく、バルブを開けるときには注意が必要です。
※上記のようなイメージでウォーターハンマー現象は起きています。
このウォーターハンマー現象は、蒸気配管の施工方法を的確に行われないと必ず発生するため、不具合事例も非常に多く、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
以上が一般的に広く認知されているウォーターハンマーの原因ですが、蒸気自体が急激に冷やされることによっても、ウォーターハンマーは発生するということをご存知ですか?
蒸気は冷えるとドレン化します。蒸気とドレンの比体積差は1640倍です。蒸気は冷たいドレンに触れると一気に凝縮して蒸気体積がほぼゼロになります。
この凝縮過程で今まで蒸気で充満していた空間は一気に真空状態になります。この真空部分に向かって一気にドレンが押し寄せドレン同士がぶつかり合うことによりウォーターハンマーが発生します。
『比例制御している空調用の熱交換器が定期的に破損してしまう。』
このようなことに心当たりはありませんか?
この現象は水質によることも多くありますが、実は先ほどの蒸気の急速冷却によって発生するウォーターハンマーが原因である可能性があります。
この現象は一般的に「ストール現象」と呼ばれています。
これは身近に発生しておりますが、間違った原因として処理され、結果的に改善できずに放置されていることが多い現象です。
次回は身近にありながら意外と知られていない、この『ストール現象』についてお話させていただきます。
尚、弊社省ルームにて今回のウォーターハンマーの再現を始めとする蒸気設備の実機を、見て体感して頂けます。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。
この記事に関してのご意見、ご質問等ございましたら、
GKC担当、永井までお気軽にお問合せ下さい。
2012年04月23日
生産活動において、身近に利用されているものの一つとして『蒸気』があります。しかしながら、蒸気というものは漏れ、破損、保全工事が多い等、状態にムラがあり、信頼性に乏しいものと感じられている方は意外と多いのではないでしょうか?
蒸気管路において、健全な生産活動の妨げになる要因として、蒸気を使用するにあたり発生する『蒸気ドレン』が非常に多く関わってきます。
言い換えれば蒸気管路において発生するドレンをいかに迅速にかつ確実に外部へ排出できるかどうか、これが蒸気使用設備の生産効率の向上におけるカギであると断言できます。
このドレンを排出するという重要な働きをする機構が『スチームトラップ』です。
第1回目のテーマとして当社が得意としている蒸気設備の中の『スチームトラップ』に焦点をあて、トラブル事例を基に生産現場の改善を全4回に分けて考えていきたいと思います。
早速トラブル事例を紹介したいところですが、その前にまずは『スチームトラップ』とはそもそもどういう機器なのか?ということをある程度知っておく必要があります。
なかにはもう十分ご理解されている方々もお見えになると思いますが、おさらいという形で少々お付き合い下さい。
(1)トラップとは
トラップ=罠(わな)英語でわなという意味です。
罠を仕掛けてドレンを排除するそれがスチームトラップの語源です。
(2)スチームトラップの機能には3つあります。
1.蒸気ドレンを素早く排出する機能
2.蒸気を漏らさない機能
3.不凝縮ガス(エアー炭酸ガス)を抜く機能
(3)トラップの種類は
トラップの種類は世界中で3000種類あるといわれております。
1.メカニカル式(フロート式、バケット式)
2.サーモダイナミック式(ディスク式)
3.サーモスタティック式(温調式)
冒頭の写真は当社省ルームにて実験用の各種スチームトラップです、上からフリーフロート式、バケット式、ディスク式、温調式トラップです。
これを分解してみると構造は下記のようになっています。
トラップも使用用途によって以下のような特性がありますので使用する場所によって使い分けを行うと効率よく使用することができます。
(クリックで拡大)
いかがでしょうか?少なからずトラップというものがご理解いただけたでしょうか?
では次月より、いよいよ本題に入っていきたいと思います。
お客様の現場で以下のような現象はありませんか?
《蒸気使用時大きな音や振動が発生する》
これは「ウォーターハンマー」という現象の典型的な例です、ひどいものになると、建屋がゆれて恐怖感を感じてしまうケースもあります。
次回はこの「ウォーターハンマー」という現象を中心に紹介したいと思います。
尚、今回ご説明しました蒸気トラップの実物を弊社スマートファクトリー省ルームにて展示してあります。近くにお立ち寄りの際はお気軽にお尋ねください。
この記事に関してのご意見、ご質問等がありましたらGKC担当、永井までお問い合わせください。
HIC豊安工業株式会社のブログです。